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北海道住宅通信 2015年3月10日号
売買・請負契約書見直しに準備を 120年ぶりに民法改正 住宅業界に大きな影響
 1896(明治29)年の制定以来、初めてとなる民法(債権法)の大改正が秒読み段階となった。これまで関係各所と議論を進めてきた法制審議会(法制審)が2月、改正要綱を承認し上川陽子法務大臣に答申した。これを受けて政府は今月下旬にも改正案を国会に提出する見通し。約120年ぶりとなる民法の抜本的な見直しは、住宅業界にも大きな影響を及ぼしそう。特に民法がベースとなっている売買契約書や請負契約書は、民法の改正に合わせて改訂する必要が出てくる。住宅に関わりが深い「売買」(第2章第3節)と「請負」(第2章第9節)について瑕疵担保責任を中心に改正点をまとめた。

 ■約200項目改正
 民法(債権法)の見直し議論は、2009(平成21)年にスタート。2013(平成25)年2月には「民法(債権関係)の改正に関する中間試案」が法務省から発表された。
 民法の債権に関する条文が抜本的に見直されるのは1896(明治29)年の民法制定以来、初めてとなるだけに、関係各所で慎重に議論が進められてきた。
 今年2月24日に法務大臣の諮問機関である法制審議会(法制審)が民法の改正要綱を承認し、上川陽子法務大臣に答申した。改正案は今月下旬にも通常国会に提出される見通し。
 改正項目は当初500項目を超えていたが、5年間にわたる議論と2回のパブリックコメントで最終的に約200項目まで絞られた。
 ■「追完義務」追加
 法制審が2月10日に公表した要綱案によると、「売買」に関する条項にある「隠れた瑕疵」の文言を削除。「目的物の種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合」の売主の責任について規定されることとなった。
 これまでは「隠れた瑕疵」があった場合の担保責任について規定していたが、改正後は「隠れた」の要件を設けないこととなった。
 「請負」で瑕疵があった場合、注文人(施主)は契約を解除できるが、これまで除外されてきた建物や工作物の契約解除も可能となった。
 売買や請負で、売主・請負人に瑕疵担保責任が生じた場合、これを理由に買主・注文人は損害賠償や契約解除できる。これまで売主・請負人に過失や故意がなくても損害賠償などの責任を追う「無過失責任」とされてきたが、改正後は過失責任に改められる。これにより買主・注文人は、損害賠償や契約解除を請求する際に売主・請負人の過失・故意を立証しなければならなくなった。
 売買の項目に、引き渡された目的物の種類や品質・数量が契約の内容に適合しない場合、買主は売主に目的物の修補や代替物の引渡し、不足分の引渡しを請求できる「売主の追完義務」が新設された。
 この場合、買主がその不適合を知った時から1年以内にその事実を売主に通知(瑕疵の内容や権利行使の表明)しないと、これを理由に履行の追完の請求や代金減額の請求、損害賠償の請求、契約の解除ができない。ただし、引渡し時に、売主に悪意があったり、重過失である場合は、この制限は適用しない。
 請負でも、種類や品質が契約と適合しないまま引き渡した場合、不適合の程度に応じて代金の減額が請求できるようになる。
 ■社会情勢に合わせて
 請負では注文者が瑕疵の修補や損害賠償請求、契約解除できる請負人の瑕疵担保責任を有する期間が「引き渡しから1年以内」と規定していたが、売買と同様に「不適合を知った時から1年以内」に改められた。
 「住宅の品質の確保等に関する法律(品確法)」では、主要構造部と雨水防水部について、民法の特例として事業者が10年間の瑕疵担保責任を負うと規定している。
 請負について、瑕疵担保責任が引き渡しから1年間という文言が削除されたことから、土地・工作物の瑕疵担保責任期間の特例についても削除される。
 これらの改正は明治以来、抜本的な見直しがなされていなかった債権関係について、社会・経済の変化に合わせて見直す意味合いが強そう。
 工務店・ビルダーにとって最も影響してくるのが民法をベースにしている売買契約書と請負契約書。そのため民法が改正されれば、これら契約書も見直す必要がある。
 建材の取引に係る「継続売買基本取引契約書」なども改訂を要することになるため、民法の改正
内容に加え、改正後の契約書の変更についても頭に入れておきたい。

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株式会社北海道住宅通信社 札幌市白石区南郷通6丁目北5-15 TEL.011-864-8580 FAX.011-864-6321

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